別れた相手とよりを戻すまでのこと

秘かに未練を抱え続けている元夫婦の再会から始まる大人のための恋愛小説 ――離婚した二人の弁護士が関わったものは複雑に絡まり合った愛を解くことだった 佳乃(かの)は弁護士。大学時代の同窓で事務所のボスである高崎からいつも仕事を押しつけられているせいで忙しい毎日を送っていた。ある日いつものように無理矢理押しつけられた仕事は六年前に別れた元夫・風間が関わっている案件。いやいやながらも別れた夫と再会し、かつて一緒に暮らしていた部屋で聞かされたのはSMのパートナー同士で交わす秘密保持契約。まったく理解できないものだけにどうしたものかと頭を悩ませるが、依頼人と彼を取り囲む女性たちと関わるうちに二人の女性が抱える哀しみに佳乃は気づきはじめる。同時に契約結婚から始まった三年にわたる結婚を振り返るようになっていった。 【著者より】 SMや緊縛を扱った小説といえば官能小説を連想しますが、この作品は官能描写や緊縛描写ではなく行為に関わる人間の心理の変化がメインになっています。ストレートな行為描写を求めている方には、この作品はおすすめしません。 BDSM(=ボンデージ(拘束)ディシプリン(支配)サディズム・マゾヒズム」、これらは一般的にはアブノーマルなものとされていますが行為の根底にあるものは「愛されたい」「愛したい」といった欲求によるものではないかと思います。これは私自身がさまざまな体験を通して見聞きしたものの結論となりますので、それが絶対的な解ではありません。「こういう世界・こんな形の愛もこの世のどこかにあるんだなあ」と寛大なお気持ちでお読みいただけると嬉しいです。 ※ストーリー上で欠かせない官能描写ならびにSM描写がございます。 ・不器用な男女が過去に負った心の傷や自分自身と向き合い結ばれるお話です。 ・過去と現在、男と女、喪失と再生、それぞれが複雑に絡み合いながら未来へと進む大人の恋愛小説です。 ・複雑な事情を抱える登場人物それぞれの言葉にできない感情の変化や気持ちが変わる過程、心の揺れ動きをお楽しみください。 ・自分らしい生き方についてどう生きたいか考えさせる長編作品ですが同時に自分らしく生きるとは本当に大事なものとは何か考える二人の成長物語でもあります。 ・男女関係だけでなく家族の絆や夫婦愛、親子の愛情についても触れている文学作品です。
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