蛇は密やかにそのときを待つ

――あなたの心を縛っているものを、今夜こそ壊してあげる。 過去に縛られたままの自分、 “誰にも言えない仕事”を続ける罪悪感、 そして、元恋人の縄に抱かれるたび甦る後悔と、とけるような安堵。 愛と性愛、自由と束縛、自己否定と承認の狭間で揺れる瑠衣が 忘れられない恋に別れを告げ、 新たな“愛し方”と“生き方”を手に入れるまで――。 母からの見合い話を、これまでは頑なに断り続けてきた瑠衣(るい)。 だが今回は、どうしても断れなかった――。 向かうは仙台。 久々に乗った新幹線の中で、瑠衣はふとしたきっかけから隣席の男性と会話を交わす。 「見ず知らずの他人」と話しているうちに、 仕事の相棒であり、かつての恋人である渡海(とかい)に抱いていた複雑な想いが、 実は“後悔”だったことに気づかされていく。 そして仙台に到着した直後――、 「隣人」の、驚くべき行動が始まる。 濃密な描写と心理の機微を繊細に紡いだ、 “大人のためのロマンス”シリーズ第2作。 ※本作には、ストーリー上不可欠な性愛描写およびソフトなSM・緊縛描写が含まれます。 【レビュー(WEB公開時】 ■初めは瑠衣という女性がとても素敵で、瑠衣さんに幸せになってもらいたいなー。康孝とうまくいったらいいなー、ついでにマサキも歩と結ばれて、ハッピーエンドになったら良いな、と思っていました。でも谷崎さんの深い世界観や、瑠衣と康孝の関係性。縄の受け手としての瑠衣の成長とか、どんどん引きこまれて、乳蜜でのエピソードも含め、もう何としても読了したい大好きな作品です。(30代・女性) ■瑠衣さん大好きなファンとしては、なかなかスリリングな予感を含んだラストの気もします。(40代・女性) ■ノーマルの人から見たら特殊な世界ですが、この作品は大人の恋愛小説として読めるので読ませて頂いています。(40代・女性) ■谷崎さんの登場人物たちへの愛情溢れる作品。本当に読み応えありました。(30代・女性)
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