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ペテン師は罠を張る(4)
ねえ、槙島くん……貴方は一体――
わたしには同棲をしている彼氏がいる。名前は辰馬。
でも最近の辰馬は冷たい。いつも帰ってくるのは遅いし食事は外で済ませてくるし……
これってわたしがセックスが苦手で辰馬との行為に応じてあげられないからなのかなって
一人で悶々と悩んでいた。
ある日、大学時代のサークルの繋がりの飲み会を槙島くんの家でやることになって私も参加した。
辰馬は会社の人と用事があるから来なかった。
せっかくだから楽しく飲もうと、普段はあんまり飲まないお酒を飲んで騒いだ。
ちょっとだけ辰馬の愚痴も言っちゃったりして……みんな笑って聞いてくれていたけれど
全員が眠りこけた後、槙島くんだけが真剣に私の悩みに乗ってくれた。
彼は私と辰馬の間のセックスレスの悩みを茶化すことなくとても真剣に聞いてくれて
「俺は君も辰馬も好きだから仲良くしていて欲しい、折角お似合いなのにそんなことで別れてしまったら悲しい」
と、セックスで感じることできるようになるように”感じるための練習”に
付き合ってもらうことになったけど――
※本作は犬田かんこ、蓮井子鹿の個人誌作品の電子書籍版となります。【23ページ】配信ストア