「ぼくを埋めて」(1)

「僕を埋めてくれませんか?」
青年は確かにそう言った。

ある日男の前に現れた青年は目を合わせるより先にそう言って、その日から男に付きまとい始めた。
自身を埋めることを了承するまで、ずっと。
帰路に職場に寄る店に、家に。どこへでも現れては埋めることを考えてくれたかと問う。何度も、何度も。
だが、男に襲いかかる恐怖は単純にその行為がというわけでもない。
男には"それ"に覚えがある。
青年が男に「埋めてくれませんか?」と問うことに、なんら間違いも、おかしさもないことに。


【 生い立ちの暗い男 ×  薄ら暗いもので偏ってしまった男 】

とにもかくにも暗くて重いストーリーが主体で登場人物がBL、という形です。
往来のBLらしさもキュンもドキも可愛らしさもなにもないのでご留意ください。



※本作はオキヒトツの個人誌作品の電子書籍版となります。【92ページ】
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